真因分析
真因分析について、文章だけですべてを説明することは難しいため、考え方と注意点に重点を置いて説明します。
手法は、なぜなぜ分析を前提としています。
1)真因分析の考え方
なぜなぜ分析では、なぜなぜを繰り返すことによって、真因を求めます。
1つの真因は、多方面に影響し、さまざま問題(バグ)を発生させます。このため、発生したバグから原因をさかのぼっていくと(下図で、バグから矢印を逆方向に進んでいくと)、どのバグからさかのぼっても、1つの(または数少ない)真因にたどり着くことが多いです1。
1) TOC(制約性理論)
参考文献:ザ・ゴール(エリヤフ・ゴールドラット著、ダイヤモンド社)

真因分析で十分に深掘りできていない(「なぜ」の数が少ない)と、それに基づいて立てられた再発防止策の対象範囲が狭くなります。例えば、真因分析が下図の「原因1-n」までだとすると、対象範囲が赤丸の中だけになります。
この結果、バグごとに個別の対策が必要になり、対策の数が増えると同時に、対応できないバグが生じる可能性があります(対応漏れ)。

このため、真因分析は「なぜなぜ」を徹底的に繰り返す必要があります。
2)分析結果の検証
真因分析をした後には、分析結果が正しいことを検証します。
真因に対する対策を決めた後、分析結果を逆方向にたどります。真因と対策が適切であれば、その対策によって、すべての原因に対応できるはずです。そうでなければ、分析結果や対策を見直します。

3)現物確認
真因分析は、現場でのヒアリングを伴うことが多くなります。その際には必ず、ヒアリングした内容を現物(設計書、テスト結果など)で確認することが重要です。また、バグの現象だけを見て推測しないことも重要です。仮説を立てることは構いませんが、必ず現物で確認しましょう。

4)ヒアリング時の注意点
ヒアリング時の注意点です。
①誘導しない。
ヒアリング相手がなかなか話してくれないとき、ヒアリング中にその先の話の推測が着いてしまったときなど、に次のように言ってしまうことがあります。
- 「○○と言うことですか?」
- 「△△だったということですね。」
- 「□□としなければいけなかったのではないですか?」
このように、こちらから結論や対策を言ってしまうと、ヒアリング相手を誘導することになり、真実が出ないことがあります。結論や対策をこちらから言って誘導することがないようにしましょう。

②言い訳を歓迎し、ヒアリング相手の立場や事情を尊重する。
真因を引き出すためには、ヒアリング相手のそのときの立場や事情を尊重し、言い訳を歓迎しましょう。実は、言い訳の中に真因につながる情報が含まれていることがあります。

③個人に依存した要因(「スキル不足」、「単純ミス」、「単なる見逃し」など)を原因としない。
「スキル不足」、「単純ミス」、「単なる見逃し」などの個人に依存した要因を原因とすると、組織としての改善ができません。「スキル不足」「単純ミス」「単なる見逃し」などは、原因分析の入口と考え、「なぜスキルが不足していたのか」「なぜ単純ミスが起きたのか」「なぜ見逃したのか」をさらに掘り下げ、本当の原因が別にないかを考えましょう。
- スキル不足→本当にスキルがあれば誰でもできるものか。別の要因ではないか?
- 単純ミス、単なる見逃し→単純ミスや見逃しをしないようなやり方はなかったか。なぜ、そのやり方を取らなかったか?