予算執行や開発などの進捗管理では、計画値を決め、その計画値と実績値の比較で予実を管理します。品質も同じように、計画値を決め、その計画値と実績値の比較で予実を管理します。
このページでは、計画値としてどのような指標を使うかを説明します。

1)検出バグ数

各工程で作り込んだバグ(作り込みバグ)を、どの検出工程(レビュー工程やテスト工程)で、どれだけ検出して、最終的に検出での超したバグ(残存バグ)を0にする計画を立てます。

a)中央値を決める

バグは作り込んだ工程に分けて考えます。

例えば、上の表の場合、要件定義工程での作り込みバグを要件定義工程で90件、基本設計工程で5件、・・・、ユーザテストで1件検出して、最終的に、残存バグを0にする計画になります。

最初は、それぞれのバグ数の値を決めるのが難しいかもしれませんが、まずは、概算で決めて、実績値を見ながら、工程が進むに従って修正していくことも可能です。
その際に注意すべきなのは、実績値にそのまま合わせるのではなく、実績値や検出されたバグの内容を見ながら、計画時の想定と異なる要素を考えた上で、適切な計画値に修正することです。

また、計画値を求める際には、次の情報などを参考にすると良いでしょう。
  ・品質良好な(リリース後バグ0などの)、過去のプロジェクトの実績値
  ・社内品質部門が定義した標準値
  ・IPA等が公表している標準値

b)許容範囲を決める

計画値と実績値が完全に一致することは少ないため、a)で決めた中央値からの上下の許容範囲を決めます。

a)と同様に、過去のプロジェクトの実績値などを参考にします。
理想的には、品質良好な過去のプロジェクトの平均値μ、標準偏差σを求めて、μ±σの範囲(正規分布で全体の68%が分布する範囲)とするのですが、現実には難しい場合が多いでしょう。このため、中央値±20%~50%とすることが多いようです。

c)バグ密度(規模あたりのバグ数)を決める

個別の機能(管理するプログラムの単位)の予実管理する場合、規模によってバグ数は変わります。このために、規模あたりの検出バグ数である”バグ密度”(検出バグ数/規模)を求め、予実管理の際の指標とします。
  バグ密度=検出バグ数/規模
規模は、要件定義書や設計書の場合はページ数、ソースコードの場合は行数などを使います。

2)検証(レビュー、テスト)の網羅度

レビューやテストの充足度を管理するため、レビュー時間やテスト項目数の計画値を決めます。これについても、規模あたりの数値であるレビュー密度やテスト密度で管理します。
  レビュー密度=レビュー時間/規模
  テスト密度=テスト項目数/規模

レビュー密度やテスト密度は、検証の状態を見るものなので、作り込み工程では分けません。検証工程毎に計画値を決めます。

レビュー密度は、下限値のみを決め、上限値はなくて良いでしょう。上限値は、レビュー時間が多すぎる(無駄なレビューをしている)ことの検出に使いますが、検出バグ数に依存するので、後述の「レビュー効率」で管理するのが良いです。
また、詳細設計工程以前に工程については、一律でも良いと思います。

3)レビューの品質

レビューは人間が実施するものなので、レビューの品質にはブレが出ます。これをレビュー効率で管理します。
  レビュー効率=検出バグ数/レビュー工数
レビューアが時間あたりで検出するバグ数です。レビュー密度やテスト密度と同様に、作り込み工程では分けず、検証工程毎に計画値を決めます。実績がない場合は、一律で、3.0件/H~6.0件/Hで始めれば良いでしょう。

4)レビューア毎のレビューの品質のブレ

レビュー毎に、担当レビューア本来の実力を出しているかを管理します。
レビューア毎のレビュー効率の平均値μ、標準偏差値σより、下記にて算出します。

  レビュー効率偏差値=((レビュー効率ーμ)/σ)×10 +50

全工程一律で、40~60※1で良いでしょう。
※1)正規分布で、μ±σの範囲(母数の68.3%)外のものを異常値として、レビューアの実力が出ていない場合や実力以上にバグ検出をしている場合を検出します。

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